こんにちは。佐賀市・久留米市で不動産売却をサポートするソロンの平川です。
亡くなった親の家を売却する流れは、通常の不動産を売る場合とは異なり、遺産の相続手続きが必要です。
納める税金も違うので、相続物件を売りたいがどうすれば良いのか…と不安に感じている方もいるでしょう。
そこで今回のコラムでは、亡くなった親の家を売る方法を徹底解説。
関連する税金の種類や、節税対策、高く売るポイントもあわせて紹介しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
亡くなった親の家を売る方法とは?流れや相続について
亡くなった親の家を売るには、故人が所有していた家を相続し、名義を変える(所有権移転登記)必要があります。
売却手段としては、不動産会社に仲介を依頼して購入希望者を探してもらうのが一般的です。
売却のおおまかな流れは、次の通り。
- 相続手続きを行い、不動産の名義を変更する
- 不動産会社に査定を依頼して、価格の相場を知る
- 不動産会社と媒介契約を結ぶ
- 販売活動を開始し、購入希望者が見つかれば交渉する
- 買い主が決まれば、売買契約を結ぶ
- 売却代金の決済、物件の引渡しを行う
- 確定申告を行う
最後のステップ「確定申告」は、売却利益である「譲渡所得」が発生した場合に必要です。
譲渡所得についてはのちほど解説しますね。
確定申告については、「不動産相続で確定申告は必要?申告するケースや流れ、注意点」にて詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
相続の方法は3種類ある
相続には、「遺言書」「法定相続分」「遺産分割協議」の3種類による方法があります。
相続の手順として、まずは故人が遺言書を残しているか確認し、遺言書があれば内容に従って遺産分割をするのが一般的です。
遺言書がない、あるいは、遺言書の内容に不服がある場合は、民法で定められた「法定相続分」や相続人間の話し合い「遺産分割協議」によって、遺産分割が行われます。
相続人がどの財産を、どの割合で受け継ぐか決まったら、相続登記(所有権移転登記)をして、不動産の名義を故人から相続人に変更します。
種類によって登記の流れは少し異なりますが、基本的には、登記申請書を作成し、必要書類を添付して申請します。
相続不動産の所在地を管轄する法務局(登記所)の窓口提出か、郵送か、法務省の「登記・供託オンライン申請システム」にて手続き可能です。
相続登記に必要な書類
相続に関わる所有権移転登記を行うには、次の書類等が必要です。
- 登記申請書
- 戸籍謄抄本あるいは除籍謄抄本(被相続人の出生から死亡までの経緯がわかるもの)
- 相続人全員の戸籍謄抄本
- 遺産分割協議書(遺産分割協議をした場合に作成するもの)
- 相続人全員の住民票の写し(マイナンバーが記載されていないもの)
- 認印
- 委任状(代理人に登記申請を依頼する場合)
- 登録免許税納付の領収書または収入印紙(登記申請書に添付する)
被相続人の登記上の住所が必要書類記載の本籍と異なるときは、登記上の所有者と同一人物であることがわかるように、住民票(除票)の写し、あるいは戸籍の附票の写しも提出します。
遺産分割協議書には相続人全員が実印を押し、各一通の印鑑証明書を添付する必要があります。
名義が変更できたら売却可能に!
相続物件の名義変更が済めば、通常の物件と同じように売却できます。
ただし、遺品や不用品の整理は時間がかかるもの。
売却スケジュールをきちんと立てて、引き渡し日に空き家になるよう掃除や片付けを進めておくことが大切です。
亡くなった親の家を売るには税金がかかる!
亡くなった親の家を売る際には、次の4種類の税金がかかります。
- 相続税
- 登録免許税
- 印紙税
- 譲渡所得税
1つずつ解説していきます。
相続税
相続税とは、土地や建物、現金など、親が亡くなった時点で所有していた財産を相続した場合に課される税金です。
財産の価値である評価額を合計し、葬式費用など控除額を差し引いた金額が、遺産にかかる「基礎控除額」を超えた場合に負担の義務を負います。
基礎控除額は、「3,000万円+(600万円×法定相続人の数)」で求めます。
被相続人が亡くなったことを知った日の翌日から、10カ月目以内に、被相続人の住所地の管轄税務署に申告書を提出し、納税しなければいけません。
登録免許税
亡くなった親の家を所有権移転登記する際にかかる税金が、登録免許税です。
相続時における計算式は、「固定資産税評価額×0.4%」。
固定資産税評価額は、毎年市役所などから通知される、固定資産課税明細書に記載されています。
印紙税
家の売買契約書には、一冊ごとに収入印紙を貼り付け、消印をして「印紙税」を納税しないといけません。
印紙の金額は、不動産の売却金額に応じて定められ、金額が上がれば、印紙税額も大きくなります。
納税を怠ると、納付しなかった金額と、その2倍の金額(合計3倍)の過怠税が課されるので、注意が必要です。
譲渡所得税
不動産の購入代金など「取得費」と、売却にかかったお金「譲渡費用」を、売却代金から差し引き、残った金額を「譲渡所得」といいます。
この譲渡所得に税率をかけたものが、譲渡所得税です。
取得費がわからない場合は、売却代金の5%を概算取得費にできますが、実際にかかった費用よりも安くなる場合があるので、売買契約書など証明書類を用意しておきましょう。
譲渡所得は、売却した年の1月1日時点で所有期間が5年超なら「長期譲渡所得」、5年以下ならば「短期譲渡所得」になります。
譲渡所得税は、所得税と住民税、平成25年(2013年)1月1日から令和19年(2037年)12月31日までは復興特別所得税(所得税の2.1%相当額)が含まれます。
それぞれの税率は次の通りです。
所得税 | 復興特別所得税 | 住民税 | 合計 | |
長期譲渡所得 | 15% | 0.315%(15%×2.1%) | 5% | 20.315% |
短期譲渡所得 | 30% | 0.63%(30%×2.1%) | 9% | 39.63% |
亡くなった親の家を売る際の節税対策
相続した物件を売る際には、税金の負担を軽減する特例として主に次の3つがあります。
- 小規模宅地等の特例
- 相続財産を譲渡した場合の取得費の特例
- 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例
それぞれ簡単に説明します。
小規模宅地等の特例
故人が住んでいた土地を相続した際、その宅地の一定の面積部分について、一定の割合で減額できる特例です。
一定の要件を満たす居住用の土地の場合は、330㎡までの部分につき、相続税の課税価格が80%減額されます。
相続財産を譲渡した場合の取得費の特例
相続財産を一定期間内に売却した場合、相続税額の一部を、売却した資産の取得費に加算できる特例です。
取得費が増える分、課税譲渡所得金額が減額できます。
被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例
相続前に居住用になっていた空き家を売却し、一定の要件を満たす場合に、譲渡所得から最大3,000万円控除できる特例です。
適用要件の中には、先に挙げた「取得費の特例」を受けていないことも含まれるため、ご注意ください。
亡くなった親の家を少しでも高く売るポイント
亡くなった親の家を少しでも高く売るには、仲介を任せる不動産会社選びがとても重要になります。
選定のポイントは、主に次の通りです。
- 家がある地域情報に詳しい
- 戸建てやマンションなど、売りたい家の類似物件の取扱い実績が豊富である
- 査定の対応が親身で、査定理由をきちんと説明してくれる
地域について詳しい不動産会社なら、売却のノウハウもあるので、より良い条件で取引を仲介してもらえる可能性が高まります。
信頼できる不動産会社を選ぶには、無料査定を利用して、複数社に依頼をすると良いでしょう。
査定額を比べるだけでなく、査定時の対応を比較することが選定のコツです。
相続した物件は、築年数が古いこともあり、建物が傷んでいる場合も。
状態によっては解体して更地にした方が売れやすいこともありますし、不動産会社に直接売却する「買取」のほうがスムーズに売れるケースもあるので、良く検討してみましょう。
【まとめ】亡くなった親の家を売るならまず名義変更を
亡くなった親の家を売るには、故人から所有権を移転する相続登記を行います。
名義変更が完了すれば、通常の売却と同じように、不動産会社に仲介を頼むなどして、売却が可能になります。
ただし、遺品や不用品の整理には時間がかかるので、引き渡し日に空き家にできるよう、スケジュールを立てて掃除・片付けを進めることが大切です。
亡くなった親の家を売るには、「相続税」「登録免許税」「印紙税」「譲渡所得税」がかかります。
税金の負担を軽減する特例もあるので、要件を確認して節税対策に利用しましょう。
亡くなった親の家を少しでも高く売りたいなら、複数の不動産会社に査定依頼をして、信頼できる会社を選ぶことが重要です。
不動産売却についてのお悩みは、ぜひ不動産会社にご相談ください。
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