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2025.07.16

老後の住まい、どうする?「家を売ってはいけない」は本当なのかを徹底検証

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こんにちは。イエステーション佐賀店 株式会社ソロンの山下 和貴(やました かずたか)です。
「老後に家を売ってはいけない」という話を目にして、不安になっていませんか? ネットやテレビで繰り返し語られるこのフレーズは、一見すると「高齢になったら自宅を手放すのは大間違いだ」と警鐘を鳴らしているように映ります。ですが、実際のところはもう少し複雑です。

本記事では、なぜそのように言われるのかという背景と、売却を選択した場合のメリット・デメリットを整理しながら、「売る」「売らない」を判断するための視点を提供します。情報源には、不動産コラムの最新記事など信頼できる解説を参照しつつ、相続・住み替え・税金といった具体的な論点まで掘り下げます。

この記事でわかること

  1. 「売ってはいけない」と言われる主な理由

  2. 老後に家を売却することで得られる経済的・生活的メリット

  3. 実際に売却する前に押さえるべき注意点とチェックリスト

これから数回に分けて、章ごとに詳しく解説していきます。

なぜ「売ってはいけない」と語られるのか

高齢者が賃貸を借りにくい現実

  • 入居審査のハードル
    定年後は収入源が主に年金となり、大家や保証会社から「家賃滞納リスクが高い」と判断されやすくなります。また単身高齢者の場合は“孤独死(室内で誰にも看取られず亡くなること)”リスクが懸念されるため、保証人や見守りサービスの加入を条件にされるケースも少なくありません。結果として入居可能な物件が限られ、希望の住み替え先を探すのに時間がかかる傾向があります。

  • 対策の方向性

    1. 高齢者歓迎の賃貸やサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)を早めにリサーチする

    2. 賃貸保証会社の利用や見守りサービスをセット契約して審査通過率を上げる

    3. 売却前に「仮住まい(短期賃貸)」を契約し、余裕を持って次の住まいを検討する

子世帯が実家の相続を希望している場合のトラブル

  • 家族間の温度差
    親が「売って現金化したい」と考えていても、子ども世帯は「将来帰省拠点にしたい」「孫の学区に合わせて住みたい」など別の計画を抱えている場合があります。十分な話し合いを持たずに売却を決めると、「知らないうちに実家が無くなった」「相続分を現金で補填してほしい」といった感情的な対立に発展することも。

  • 防止策

    1. 売却の意思と背景を家族全員に共有し、合意形成プロセスを可視化

    2. 代替案(子が買い取る・賃貸に出す・リフォームして二世帯化など)を複数提示

    3. 相続時精算課税や贈与の活用など税務面も絡めて専門家を交えた家族会議を行う

新しい環境への適応ストレス

  • 高齢期ならではの心理的負担
    引っ越しは体力的にも心理的にも負荷が大きいイベントです。長年築いてきたご近所づき合いや生活リズムを一気に変えることになるため、環境変化への適応に時間がかかり、孤立感や抑うつ感が強まるリスクがあります。

  • 緩和するコツ

    1. 住み替え先の地域コミュニティ(自治会・趣味サークル)を事前に調べ、参加の窓口を確保

    2. 荷物を一気に処分せず「トランクルームを活用して少しずつ整理する」など段階的に移行

    3. 医療・買い物・交通アクセスを地図上で可視化し、生活動線の不安を減らす

 

老後に家を売却するメリット

メリット 具体的な効果 補足ポイント
まとまった資金を確保 売却代金は一時金として受け取れるため、年金収入では賄いづらい医療・介護費用有料老人ホームの入居一時金に充当できる。貯蓄を崩すタイミングを後ろ倒しにできるので、長寿リスクへの備えになる。 資金の一部を安定運用する場合は、利息・配当が「雑所得」になる点を念頭に置く。
維持コストと労力からの解放 広い一戸建ては固定資産税・都市計画税、草木の剪定や外壁塗装などのメンテナンス費が毎年発生。売却すればこれらの支出と作業負担をゼロにできる。 人手不足でシルバー人材センターの依頼額も上昇傾向。将来のコスト増を抑えられる。
バリアフリー住宅への住み替えが容易 介護保険による住宅改修は上限20万円。段差解消や断熱強化が必要な場合、リフォームより住み替えの方が割安になるケースが多い。売却益を原資に、手すり完備・ヒートショック対策済みの高齢者向け住宅へ移ることで、転倒・ヒートショックのリスクを下げられる。 サ高住や高専賃は初期費用が物件により大きく異なるため、資金計画を立てて見学を。
相続時の公平な分割がしやすい 自宅を現金化しておけば、きょうだい間で1円単位まで均等割りできる。偏在した不動産を巡る「換価分割トラブル」を未然に防ぎ、相続手続きも簡潔になる。 売却益に譲渡所得税が課税されても、3,000万円特別控除で課税額を圧縮できる可能性大。

ポイント

  • 「老後=売らない方が安全」という思い込みを外し、資金・住環境・家族関係を総合的に最適化できるかを基準に判断しましょう。

  • 実勢価格が十分に高いエリアなら、売却→賃貸より売却→コンパクトな分譲マンション購入の方がランニングコストを抑えられる場合もあります。

以上が老後に家を売却する主なメリットです。
次章では、「売る前に必ず確認したいポイント」を具体的に解説していきます。

売却前に必ず確認したいポイント

まずは「いま売れる価格」とタイミングを把握

  • 地価は4年連続で全国平均が上昇。令和7年公示地価では三大都市圏だけでなく地方圏の住宅地もプラスが続いており、「売り手優位」のエリアが拡大しています。とはいえ札幌・仙台など一部都市で伸び幅が鈍化する兆しもあるため、地域別の細かな調査が欠かせません。国土交通省

  • 公示地価やREINS成約事例だけでなく、「同じ学区・築年数・間取り」の競合物件が何件出ているかを見ておくと、価格交渉で後手に回りません。

税制優遇とコストを一覧でチェック

チェック項目 概要 ひと言メモ
3,000万円特別控除 自宅(居住用財産)を売ったときの譲渡所得から最大3,000万円を差し引ける定番特例。相続空き家の特例も令和9年12月31日まで延長済み。国税庁 相続人が3人以上の空き家売却は控除上限が2,000万円に縮小(令和6年以降)。
譲渡所得税・住民税 所有期間5年超なら 国税15%+住民税5%+復興特別所得税2.1%。短期譲渡は倍近い税率になるため、取得日がいつかをまず確認。 控除後の「課税譲渡所得 × 税率」で概算。
買換え特例 売却額より高い住み替え住宅を購入した場合、課税を先送りできる。 売却から翌年12月31日までに新居を取得するなど期限が厳格。
その他コスト 仲介手数料(成約価格×3%+6万円+消費税)、司法書士による抵当権抹消費用、測量・解体費など。 ローン残債がある場合は決済日に一括返済。手付金の使い込みに注意。

ポイント
専門家に「税金・諸費用を差し引いた手取り額」をシミュレーションしてもらい、売却資金で老後資金が何年分まかなえるかを具体的に把握しましょう。

住み替え先は“先取り”で確保

  • 2025年10月施行の改正住宅セーフティネット法で、高齢者が賃貸を借りやすくなる仕組みが強化されます。家賃債務保証料の低廉化補助(保証会社へ最大6万円)や残置物処理の円滑化など、オーナー側の不安を減らす制度が導入予定。

  • とはいえ施行前は旧制度のまま。売却契約→引き渡しの前に「仮住まい」を押さえ、居住支援法人や保証会社の審査書類を準備しておくと安心です。

  • サ高住やサービス付き高齢者向け賃貸は人気が高く空室待ちが発生しがち。見学予約は半年前から動くのがベターです。

共有名義・ローン残債・権利関係の整理

  1. 共有名義の場合

    • 共有者全員の同意が必須。本人確認書類・実印・印鑑証明の準備に手間がかかるため、早めに連絡を取り合いましょう。

  2. 住宅ローン残債

    • 引き渡し当日に残債を一括返済し、抵当権を抹消。完済証明が取れないと登記が移せず決済が遅延します。

  3. 越境物・未登記建物

    • 隣地との境界トラブルや車庫・物置の未登記は価格交渉の材料にされやすいので、測量や表示登記でリスクを潰してから販売活動へ。

  4. 家族合意と遺言

    • 「相続時に現金か不動産か」でもめないよう、生前贈与や遺言書を絡めた資産設計を同時進行で。

以上が売却前に必ず押さえておきたい4つのポイントです。
次章では、「売る」「売らない」を判断するチェックリストを具体的にご紹介していきます。

「売る」「売らない」を判断するチェックリスト

下表は、ご自身の状況を 〇/△/× で塗りつぶすだけで、売却のタイミングを可視化できるシンプルなチェックリストです。各項目の右端に“決め手”となるポイントを示しましたので、家族会議や専門家相談の前に一度セルフチェックしてみてください。

質問 〇/△/× 決め手のヒント
① 自宅を維持する固定費(税金・修繕・光熱)が、年間収入の15%を超えている 家計を圧迫する水準か。目安は“年金+金融資産取り崩し”の15%以内。
② フルリフォームや段差解消の費用が 300万円以上かかる見込み 介護保険改修20万円上限を大きく超えるなら“住み替え”が合理的。
③ ローン残債が売却想定価格の70%以下になっている 手取りを確保できるライン。残債<売却価格×0.7 が一つの目安。
④ 相続人全員と“売却後の資金配分”について合意済み 書面(メモでも可)に残していれば、トラブルリスクは大幅に軽減。
⑤ 代替住居(賃貸・サ高住・分譲マンションなど)の入居審査に通過済み “引き渡し後に行き場がない”事態を避けるため、先に契約確定を。
⑥ 今後10年以内に介護が必要になるリスク(要支援予備軍)がある 65歳以上で要支援・要介護認定率は約19%。予備費を確保したい。
⑦ 最寄り駅・バス停・病院・スーパーまで片道15分以上かかる 高齢期は移動コストが跳ね上がる。生活圏が広い家は負担増に。
⑧ 家族や近隣コミュニティからのサポートが希薄になっている ちょっとした買い物代行や見守りが得られない場合は要検討。
⑨ 不動産価格指数が横ばい~下落傾向にあるエリア 価格下落フェーズ突入前に換金すると“売り逃げ”に近い効果。
⑩ 今の家に「想い出価値」が強く残っている 売却後の心理的ロスが大きいと感じるなら“賃貸運用”という選択肢も。

判定方法

  • 〇が7個以上 → 売却を前提に具体的な資金計画と住み替え準備を進める

  • 〇が4~6個 → 相場調査・税金試算など“比較検討”フェーズへ

  • 〇が3個以下 → 維持しながらリフォーム・賃貸活用など“保有延長”を検討

専門家ワンポイント
チェックリストはあくまでセルフ診断ツールです。実際には 公示地価動向・築年数・建物コンディション など物件固有の要素が手取り額を大きく左右します。無料査定を受け、「売却で得られる手取り/維持し続けるコスト」損益分岐点で比較することが、後悔しない第一歩です。

まとめと次のステップ

「老後=売らない方が安全」は思い込みかもしれない

  • 高齢者が賃貸を借りにくい、家族との利害調整が難しい――こうした理由から「老後に家を売ってはいけない」と語られがちです。

  • しかし実際には、まとまった資金確保・維持コスト削減・バリアフリー住宅への住み替え・相続分割の円滑化など、売却で得られるメリットも多く存在します。

判断のカギは「手取り額」と「生活シミュレーション」

  1. 売却により手元に残る金額(税・諸費用差引後) を把握する

  2. その資金で何年分の生活費・介護費を賄えるか を試算する

  3. 住み替え先の家賃・管理費と、今の家を維持した場合の固定費を比較する

  4. 家族の相続意向・将来設計を言語化し、合意形成を文書化 しておく

次に取るべきアクション

ステップ やること 目安期間
① 相場把握 無料査定で「いま売れる価格」と手取り額の概算を取得 1〜2週間
② 住み替え候補の選定 賃貸・サ高住・分譲マンションを見学予約 1〜3か月
③ 資金計画と税務確認 譲渡所得税・特例適用の可否を税理士に相談 2〜4週間
④ 家族会議 売却時期・資金配分・遺言の方針を共有 随時
⑤ 売却活動開始 仲介契約→販売広告→交渉→契約→決済 3〜6か月

プロに相談するメリット

  • 価格査定・税務シミュレーション・住み替え先紹介 をワンストップで受けられる

  • 契約書面・権利関係の不備を事前に洗い出し、高齢者本人と家族双方の安心感 を高める

  • 地域相場の“売り時”を見極め、最短ルートで目標手取り額へ 到達できる可能性が高まる


老後の住まいをどうするかは、「資金・健康・家族関係」という三つの軸を総合的に最適化するプロジェクトです。迷ったら、早めの情報収集と専門家へのヒアリング が後悔しない秘訣。

「家を売ってはいけない」は、一律の正解ではありません。
ご自身とご家族のライフプランに合った最良の選択肢を、一緒に探していきましょう。

最後に

イエステーション佐賀店 株式会社ソロンでは、無料売却査定・相続相談・住み替えシミュレーション を実施中です。お気軽にお問い合わせください。

ぜひ株式会社ソロンをご利用ください。

株式会社ソロンの無料相談はこちら

この記事を書いた人

佐賀店 不動産売買事業部山下 和貴

新築の建売住宅をご購入いただいたお客様から、「いろんな不動産会社の人に話を聞いたけど、山下さんは家の良い点も悪い点も正直に伝えてくれたので信頼できました。もし仕事仲間が家探しをするときは、真っ先に山下さんを紹介しますね」とお言葉をいただきました。

お客様とお話しする際は正直な姿勢を大切にしています。

山下 和貴の紹介ページはこちら

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